ラストップチェーンって、どんなチェーンですか?―後編

ホイル博士3メッキ付きローラチェーン(=ラストップチェーン)の後編です。

前編では鉄のチェーンにニッケルメッキを処理したのがラストップチェーンで、
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最大許容張力(さいだいきょようちょうりょく) が鉄製のチェーンよりも下回るという説明をしました。
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Kana博士0001 - コピーまず 鉄製のチェーンじゃが、プレート という部品を作る際に ショットピーニング という製造工程がある。

イラスト2ショットピーニング、聞いたことないな……?

Kana博士0001 - コピーショットピーニング とは、無数の鋼鉄 もしくは 非鉄金属の小さな丸い球のようなものを高速で金属表面に衝突させることじゃ。この鉄の丸い球のようなものをショットといい、ショットの衝突により表面は凹み押し伸ばされるが、周囲の変形していない部分により拘束され、チェーンプレートには圧縮残留応力(あっしゅくざんりゅうおうりょく)が発生する。
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この処理により、表面の硬さが増し繰り返しの荷重に対する疲れ強さが増すのじゃが、表面にニッケルメッキを施すことで、
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表面に引っ張り応力が発生し、
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ショットピーニングをほどこした圧縮残留応力(あっしゅくざんりゅうおうりょく)と その効果を打ち消しあう形になる。
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Kana博士0001 - コピー 結果、鉄のチェーンよりもラストップチェーンの最大許容張力は、15%ほど下回る結果となる。

KANA右でも、ニッケルメッキには軽度の耐食性があり外観が美しくなるから見た目重視の機械の使用には良いよね♪

 

ラストップチェーンのこと、少しはわかった KANA (かな)

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KANA下 <ご注意!>
ちなみにラストップチェーンは鉄チェーンの表面にニッケルメッキの表面処理を施しているので、使用すると摩耗の粉やメッキがはがれるはくり片が出てきます。そんな理由から、食品に混入する可能性のある環境では使用しないでね!